■ 操作はゆっくり?
「上手い人って、高速コーナーではハンドルゆっくり切るんですね」ってよく
聞きますよね。
でも、それは、ちょっと違うと思うんです。
正確に言うと、
「それ以上ハンドルを素早く切ると飛び出ちゃう位のスピードまたは減速量で進入している」ということなんです。ホントは、ハンドルはできる限り素早く切りたい。たとえば、パーキングスピードでゆっくりハンドルを切る人はいないですよね。それと、同じです。
もっと正確に言うと、できる限り短い時間でそのコーナーで必要となる最大スリップアングルまで持って行きたい。だけど、車速が高い
(または減速幅が大きい) ので、そんなに素早く切れない。それ以上素早くハンドルを切ると、前輪がグリップを失ってコースから飛び出てしまうからです。
もっともっと正確に言うと(笑)、“素早く、小さく (by 西尾 監督)”
を積み上げている (繋げている) と言うべきかも知れません。
2005年の全日本 N2
チャンプの松本選手は、高速コーナーでは外から見てても分かるくらいゆっくりハンドルを切っています。つまり、それだけゆっくり切らないといけないくらい
の限界領域でコーナリングをしている
(無駄な減速をしていない) んですね。
重要なことは、“目標は「ゆっくりハンドルを切る」のではなくて「短い時間でコーナーを抜ける」こと”
であり、そのために車速を高く保つ必要があれば、必然的にハンドルをゆっくり切らざるを得なくなる、ということを理解することだと思います。
逆のことも言えます。たとえば、FF の
360°ターンでは、いかに短時間にハンドルをすばやく回すかがタイム短縮のキーになります。ですので、ハンドルを素早く回しても前輪がグリップを失わない車速を逆算して、その車速まできっちり落とす
ことが必要になります。
(次回に続く…)
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